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母と妹と対立した遺産分割において換価分割で不動産を売却した事例

事 例

本件は、父が亡くなり、母と妹と対立関係となった依頼者からのご相談です。

母は、施設に入っており、亡父の自宅不動産(土地・建物)は空き家となっていました。
このまま空き家としておくことも物騒ですので、依頼者としては、売却をしてその売却代金を法定相続分とおりに分けることを考えていました。

遺産分割調停による解決

ご依頼をいただいてすぐに示談交渉をスタートしましたが、相手方である妹からは、返信がなく、交渉が進みませんでした。

仕方なく、家庭裁判所へ遺産分割調停を申立てたところ、母・妹がともに弁護士を立てて争ってきました。

当初は、自宅不動産を売却しての換価分割には、母が否定的でしたが、粘り強く調停期日を重ねて説得し、最終的には、自宅不動産を売却しての換価分割とする内容で遺産分割調停が成立しています。

弁護士コメント

遺産である不動産を売却して、その売却代金を分割する遺産分割の方法を「換価分割」といいます。

換価分割は、「不動産を売却する」という高度な行動が必要となるため、次に挙げるような注意が必要です。

まずは、当然ですが、「換価分割」であることを、しっかりと、遺産分割協議書に盛り込むことが必要です。
口頭の「後で売ってその代金を分けるから」という約束に乗って、相続人一人の単独名義とする協議書に調印をしてしまうと、後で「そんなことは言っていない。私が一人で相続することに了解していたでしょ。」などと翻意される危険性があります。

次に、売却後の代金の分配率をしっかりと明記することが必要です。本件では、法定相続分とおり2分の1(母)、4分の1(依頼者)、4分の1(妹)としています。

また、「売る・売らない」「いくらで売るか」等でトラブルにならないように、取得者は相続人の一人にして、その者が代表して売却できるようにするとよいでしょう(共有名義に相続登記を入れてしまうと売却する場合に、共有者全員の実印が必要となります。)

次に、売却をするには、諸々経費がかかりますので(相続登記費用、測量費用、仲介手数料、建物を取壊す場合には取壊し費用など)、これを売却代金から控除することも明記します。

最後に、遺産である不動産を換価分割で売却した場合でも、売却益に対しても譲渡所得税はかかりますので、これが、代金の分配率とおりに各相続人に、負担されるように、念のためそれも明記するとよいと考えています(例えば、「譲渡所得税等の売却にかかる租税は,各自の負担とする。」という文言を入れる。)。

換価分割は、不動産を売却してその代金を分割したい、というニーズに叶う遺産分割方法ですが、これを実施するには、高度の法的知識を必要とします。

このような場合には、是非、弁護士へご相談ください。

(なお、本件は、あくまで実際の事例を改変してフィクションとしたものを「解決事例」としてご紹介するものです。)

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