相続人不明ケース/成年後見/その他

相続人が不明なケース

自分以外の相続人が分からない、又は相続人の一部が行方不明な場合には、どうすればよいのでしょうか。

相続人が不明なケースが生じる場面には、主に次のような場面があります。

(ⅰ)例えば、故人の先妻に子がいるが、会ったこともない/どこにいるかも知らない

(ⅱ)不動産(主に土地)の名義が、例えば曾祖父や祖父の名義になっており、相続手続きをしたいが、相続人が多数で、誰が相続人か分からない

(ⅲ)相続人の一部が行方不明になってしまっていて、どこにいるか分からない(生死も定かでない)

これらのケースの場合にには、是非ご相談ください。弁護士が戸籍や住民票を取得し、相続人を調査・発見します(住民票の住所地にいない場合等にはコンタクトがとれないこともあります)。

また、上記(ⅱ)のような古い相続の問題も多く解決しており、ノウハウを有していますので、是非ご相談ください。
(解決事例「十数年前の相続について、不動産の一部が相続登記漏れになっていた事例」)
(解決事例「先々代の名義になってしまっている不動産を名義変更して売却までつなげた事例」)
(解決事例「子が無く亡くなった方の姪から、他の甥姪にアプローチして遺産分割した事例」)


上記(ⅲ)の相続人の中に行方不明者がいる場合には、家庭裁判所に不在者財産管理人選任の申立てをする等の手法を用いて、相続問題を解決することができます。

相続人が不明なケースについては、ご自身では解決できない場合が多いと思いますので、是非弁護士へご相談ください。

よい解決策が見つかるはずです。

相続人がいない場合はどうするのか?(ご自身が特別縁故者の場合など)

次に、そもそも「相続人がいない」場合には、どうすればよいのでしょうか。

相続人がいない、なんてことがあり得るのか、疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、亡くなった方に、①配偶者がいない、②子がいない、③両親や祖父母も亡くなっている、④兄弟もいない(兄弟の子もいない)、という場合には、この亡くなった方に相続人はいないということになります(上記全員が相続放棄した場合も同様です)。
(コラム「相続放棄の手続きについて」)

「相続人がいない」場合で、弁護士に相談が寄せられるのは、多くは次のような場合です。

(ⅰ)相続人ではないが、長い間、故人と連れ添ってきた(又は、故人の面倒を見てきた)。遺産をもらうことができないのか

(ⅱ)亡くなった方の隣地に住んでいるが、亡くなった方の家が空き家になっており、倒壊の危険がある

この(ⅰ)のケースは、「特別縁故者」の方がいるケースです。
「特別縁故者」とは、相続人ではないが、相続人と同視できる程度の故人との関係性がある方のことを言い、特別縁故者と認められれば、遺産を受け取ることができます。

典型的な方は、いわゆる内縁(事実婚)の配偶者です。

このためには、まず、家庭裁判所に相続財産管理人の選任を申立て、家庭裁判所主導の下で、手続きを進めていく必要があります。

ご自身が特別縁故者であることを説得的に主張し、これを家庭裁判所に認めてもらえば、特別縁故者として遺産を取得することができます。
(解決事例「従姉妹たる特別縁故者へ遺産の約半額が分与された事例」)

上記(ⅱ)の隣地が空き家になってしまっているケースも、近年、社会問題化している事象です。
隣地の方が亡くなり、どうやら相続人がいないために、空き家になり、建物がぼろぼろで物騒だ、というご相談が典型例です。

この場合にも、隣地の方から家庭裁判所へ相続財産管理人の選任を申立て、その相続財産管理人に空き家を売却・解体してもらう等して問題の解決を図ります。

ただし、相続財産管理人の選任申立てには、多額の予納金を納付しなければならない場合があり、慎重な検討が必要です。

「相続人がいない」という問題で、お困りの方は、是非ご相談ください。

成年後見が必要なケース(相続人の中に重度の認知症の方がいる場合など)

相続人の方の中に、例えば重度の認知症などで判断能力のない方がいる場合には、遺産分割協議ができずに、相続手続きがストップしてしまうことがあります(よくあるケースとしては、父が亡くなり遺産分割したいが、母が重度の認知症である等)。

遺産分割協議も法律行為であり、法律行為には、その方の判断能力が必要とされるからです。

「遺産の分け方について理解できる能力」があればよいわけですが、これがない場合には、遺産分割協議をすることはできません(勝手に実印を押してしまっても、その遺産分割協議は無効です)。

では、このような場合には、どうすればよいのでしょうか?

相続人の中に判断能力がない方がいる場合で、遺産分割をするときには、その方についての成年後見の申立てをし、家庭裁判所に成年後見人を選任してもらう必要があります。
(解決事例「相続人の中に判断能力がない者と海外在住の者がいた事例」)

ただし、成年後見の申立てには、次のような点を留意して慎重を期する必要があります。

(ⅰ)成年後見人は、家庭裁判所が選任するものであり、弁護士や司法書士の専門職が選任されるケースが多い(親族が成年後見人に選任されるとは限らない)
(ⅱ)専門職が成年後見人となった場合には、報酬を支払う必要がある
(ⅲ)成年後見人が選任された後の遺産分割協議では、成年被後見人の法定相続分は確保する内容の遺産分割内容としなければならないことが多い
(ⅳ)遺産分割協議が終わったとしても、成年後見が終わるわけではなく、原則として成年被後見人が亡くなるまで、成年後見が継続する

相続人の中に判断能力がない方がいる相続については、慎重に検討をする必要があります(お勧めするわけではないのですが、その相続人たる判断能力のない方が亡くなるのを待つ場合もあり得ます)。

このような場合には、是非一度ご相談ください。

その他のケースでも是非ご相談ください(相続人に未成年者がいる場合など)

その他にご相談のあるケースとしては、相続人に未成年者がおり、その親も相続人であるというケースです。

例えば、父が若くして亡くなり、相続人がその妻と子で、子がまだ未成年者という場合です。

この場合には、妻が子の親権者ですが、遺産分割をするにあたっては、利益相反の問題が生じるため、妻は、子の特別代理人の選任を家庭裁判所へ申立てる必要があります。

このように、相続問題は、時に複雑で弁護士の力を必要とするケースがあります。

相続問題でお困りの場合には、是非一度ご相談ください。


 

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