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遺留分侵害額請求権を被保全債権として仮差押え後、訴訟で解決した事例

事 例

相続人ではない者(被相続人の甥)に対して大半の遺産を遺贈するとの公正証書遺言が残されていました。

唯一の子が当事務所の依頼者です。

遺言の内容としては、子に対しても少額の遺産は相続させる内容にはなっていましたが、遺留分には足りないとして、その不足額について遺留分侵害額請求を行いました。

また、預貯金の調査を行ったところ、数千万円の使途不明金も見つかったという事例です。

仮差押/訴訟での解決

使途不明金の調査後、この金額も遺留分侵害額の計算に組み込んだ形で、相手方に対して遺留分侵害額請求をしました。

示談交渉では進展がなかったため、遺留分侵害額請求調停を申立てました。
相手方は、この調停内でも使途不明金の問題について何も説明をしなかったため、調停を成立させることができず、調停は不調にて終了しました。

このままでは、遺留分侵害額の回収に疑義があると考えたため、この遺留分侵害額請求権を被保全債権として、相手方所有の不動産に仮差押えを行いました。

その後に訴訟を提起したのですが、やはりこの仮差押えが功を奏したようで、相手方から訴訟内で「和解したい」旨の提案がなされ、無事に訴訟内にて和解が成立しています(遺留分侵害額が適正に支払われています。)。

弁護士コメント

本件で特筆すべきは、遺留分侵害額請求権を被保全債権として仮差押手続きを行ったことです。

相続年月日(死亡年月日)が、令和元年7月1日以降の遺留分事案については、改正相続法が適用され、遺留分の請求は、遺留分侵害額請求権として金銭請求となりました。

したがって、この金銭請求を被保全債権として仮差押え手続きを行うことができるようになったわけです。

相手方の不動産に対する仮差押手続きは、その不動産に「仮差押登記」がなされ、これによって、相手方に「もう逃げられない」という相当のインパクトを与えるものです。

これによって、本件のように結果として早期解決が図れることもあります。

本件は、相続法改正後ならではの遺留分事案となりましたので、解説させていただきます。

(なお、本件は、あくまで実際の事例を改変してフィクションとしたものを「解決事例」としてご紹介するものです。)


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